美と健康は大腸から

ファスティング
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ファスティングマイスターのつぼです。

『美と健康は大腸から』という本を読みました。ファスティングマイスターとしては大腸について深く深く知っておく必要があります。とても勉強になったので、自分用のメモとして記事に残します。ご興味が出たら、ぜひ読んでみてください。

著者の中村尚志(なかむらひさし)さんは東京都港区赤坂にある内視鏡専門クリニックの院長で、「大腸がんの撲滅」を夢に、大腸内視鏡検査を受けることの重要性を啓蒙しています。

本の構成

本は次の5章で構成されています。

  • 第1章:大腸を整えれば美と健康が手に入る
  • 第2章:腸内細菌のバランスを整える。免疫力が高く、見た目年齢が若い人の「食事」
  • 第3章:食べた分だけしっかり出しきる。下腹スッキリのスタイルを維持する人の「排便」
  • 第4章:腸内環境を健康に保つ。大腸の働きを活性化させている人の「生活習慣」
  • 第5章:知っておきたい大腸がん&大腸内視鏡検査の知識

第5章は専門的な内容で、美と健康のためにするべきことの参考にはなりませんが、大腸内視鏡検査について知ることができます。

第1章から第4章は日常生活に生かせる具体的な情報がたくさん出ていて、役に立ちます。

私が実践しているミネラル・ファスティングも腸内環境を整えるのに有効な手段です。サポート&アドヴァイスもしていますので、ご興味があればお問い合わせください。

大腸の役割と腸内細菌の重要性

  • 大腸の役割は小腸から送られてきた消化物の残りから水分を吸収して固形化し、便として排泄すること。
  • (小腸と違って)大腸には栄養素を分解する機能がないので、大腸に住み着く腸内細菌が栄養素を分解している(腸内細菌との共生)。
  • 全身の免疫細胞の約7割が腸(小腸から肛門までの腸管)に存在するので、腸内環境が整っていれば免疫機能が高まる。腸内環境が悪化すると免疫機能が下がって、病原菌やウイルスに感染しやすくなったり、病気になるリスクが高まったりする。
  • 腸は迷走神経(自律神経の一種)で脳と直接繋がっている(脳腸相関)。そのため、腸の状態が脳に影響を与える。例えば、腸内フローラのバランスがよいと腸でセロトニン(幸せホルモン)がつくられ、その刺激が迷走神経を介して脳に伝わるので、幸せな気分になる。
  • 生後6ヶ月くらいの赤ちゃんの腸内フローラは善玉菌のひとつであるビフィズス菌が6~9割を占める。これは母乳に含まれるラクトース(乳糖)がビフィズス菌のエサになって繁殖するから。そして成長とともに様々な菌と接することで腸内細菌の種類が増える(多様性の獲得)。
  • 腸内細菌は種類によって働きが異なるので、多種多様な菌が大腸に住み着いていればそれだけ様々な病気に対抗することができる(多様性が重要)。
  • 肉食動物のライオンは腸が短く、草食動物の牛は腸が長いのと同じく、肉食文化の欧米人は腸が短く、穀類や野菜中心の食生活を続けてきた日本人の腸は長い。これは穀類や野菜には食物繊維が多くて腸でゆっくり消化する必要があるから(日本人には肉食は適さない)。
  • 海藻を消化する日本人特有の腸内細菌(海藻消化菌)があるように、民族によって獲得している腸内細菌と体質が違ってくるので、それぞれに適した食生活を送ることが大事(日本人の腸には和食が適している)。

善玉菌を増やすため、発酵食品を摂る

  • ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やすために発酵食品を摂る。ビフィズス菌は糖質、特にオリゴ糖をエサにして酢酸や乳酸をつくり出す。乳酸菌はブドウ糖などの糖質をエサにして乳酸をつくり出す。
  • 植物性乳酸菌は丈夫な菌で栄養が少ない環境でも生き抜くほか、胃液や膵液でも簡単には分解されないため、生きたまま腸に届きやすい。植物性乳酸菌を含む代表的な食材はぬか漬け、柴漬け、キムチなどの漬物類、味噌、醤油など。
  • 動物性乳酸菌は胃酸に弱いため生きたまま腸に届きにくいが、植物性乳酸菌やビフィズス菌のエサになって活性化させる働きがある。動物性乳酸菌を含む代表的な食材はヨーグルトやチーズなどの乳製品、くさや、塩辛、アンチョビなど。胃酸が薄まった食後に摂るのがいい。
  • 納豆菌(腸内細菌ではなく、自然界に存在する菌)は腸内で最も長く生きることができる強さを持つ。生きたまま腸に届き、抗菌作用で悪玉菌の繁殖を抑えたり、遠位大腸にいるビフィズス菌のエサになる。戦前には日本海軍で納豆が抗菌食品として利用されていた。
  • 納豆菌と乳酸菌を一緒に摂ると善玉菌を効率よく増やせる(キムチ納豆は理に適っている)。
  • 発酵食品は冷蔵庫から出したばかりでは冷えて菌が眠った状態なので、10~20分常温に戻してから食べるのがよい。しばらく常温にしておくと菌の活動が活発になって効果的に乳酸菌を摂ることができる。

善玉菌のエサにするため、食物繊維を摂る

  • 十分なエサがあれば善玉菌は元気になってどんどん繁殖する。その最も効果的なエサになるのが食物繊維。食物繊維を好まない悪玉菌のエサにはならず、食物繊維が好物のビフィズス菌のいる遠位大腸まで届く。
  • 食物繊維には水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」がある。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を1対2の割合で食べるのが理想とされている。両方の食物繊維をバランスよく含む食材はキウイフルーツ、バナナ、プルーン、アボカド、サニーレタス、ゴボウなど。

善玉菌のエサにするため、オリゴ糖を摂る

  • オリゴ糖のオリゴとは少ないという意味で、カロリーが砂糖の約半分。オリゴ糖には小腸で吸収される「消化性」と消化されずに大腸まで届く「難消化性」に大きく分けられる。
  • オリゴ糖にはフラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルオリゴ糖などいくつかの種類があるほか、野菜や果物にも含まれている。オリゴ糖の含有量が多い食材はゴボウ、タマネギ、ネギ、ニンニク、キャベツ、タケノコ、ダイコン、大豆(きな粉、豆乳、豆腐、納豆、味噌、醤油なども)、バナナ、リンゴ、蜂蜜、甘酒など。

コメント

  1. […] 最近読んだ「美と健康は大腸から」という本に「発酵食品は冷蔵庫から出したばかりでは冷えて菌が眠った状態なので、10~20分常温に戻してから食べるのがよい。しばらく常温にしておくと菌の活動が活発になって効果的に乳酸菌を摂ることができる」と書いてあったので、実践しています。 […]

  2. […] 以前、この本「美と健康は大腸から」について記事に書きました。腸内環境を健康に保つために食べるべき食材などもメモしてあるので、ぜひ目を通してみてください。 […]