つぼです。先日、一年ぶりに石垣島へ行ってきました。
この記事では、今回の旅で出合った石垣島バニラを紹介します。
バニラといえばマダガスカルというイメージしかなかった私ですが、製品化まで8年かけた情熱の国産バニラの存在を知り、応援する気持ちでいっぱいです。
石垣島バニラとは
石垣島バニラとは
石垣島バニラは、代表の金城美沙江さんが8年の年月をかけて製品化した石垣島産のバニラです。
以下で、簡単にその軌跡をたどってみます。
2011年:金城さんの直感が働いた
金城さんは石垣島で生まれ育ちました。進学のため一旦島を離れますが、帰島後、両親が始めた観葉植物の畑を手伝いながら、「自分らしいものを作りたい」と考えていました。
2011年のある日、金城さんは講演会でバニラ栽培に関する話を聞きました。バニラ栽培に夢と可能性を感じた金城さんは、「誰もやっていない!沖縄初!じゃあ私がやろう!」と直感で決めたそうです。
2012年:バニラの栽培に着手
2012年、金城さんは八重山農林高校からバニラの苗を100鉢購入し、バニラの栽培に着手します。
しかし、石垣島でのバニラ栽培は前例がありません。金城さんは様々な機関にバニラの栽培方法や加工技術について相談しました。また、インターネットや文献を使ってマダガスカルやハワイなど世界のバニラ産地の手法を調べ、試行錯誤しながら石垣島でバニラの栽培を続けました。
2014年:バニラが開花
そして、2014年4月、ついにバニラが開花します。
バニラはラン科の蔓性植物で薄緑色の花が咲きますが、花の寿命が短くて、開花時間はわずか8時間くらいだそうです。
金城さんは開花後の受粉にも成功しました。
そして、石垣島バニラ誕生!!
…と、簡単にはいきません。
むしろ、ここからが本当の難関でした。
最大の難関「キュアリング」
バニラの甘い香りを得るためには、乾燥と発酵を繰り返して熟成させる「キュアリング」という工程が必要です。
キュアリングの後、バニラの果実はチョコレート色に変化し、あの特有の甘い香りを放つようになります。ここから取り出した種がバニラビーンズシードと呼ばれ、バニラ香料の原料になります。
このキュアリングがとにかく難しいそうです。金城さんは何度も失敗を繰り返しながら研究を続けました。
2019年:キュアリングに成功
2019年9月、金城さんはついに独自の加工方法を編み出し、キュアリングに成功しました。バニラの栽培を始めてから約7年。金城さんの情熱と努力がようやく結実したのです。
なお、金城さんのキュアリングは、乾燥・発酵作業に3ヶ月、熟成作業に2ヶ月かかるそうです。
2020年:石垣島バニラ ~ChulaSya~ 誕生
2020年、金城さんが栽培から加工まで一貫して手掛ける石垣島バニラを使ったバニラビーンズやバニラシュガーの一般販売が始まりました(2019年に県内で先行販売も実施)。
石垣島バニラ ~ChulaSya~ の誕生です。ブランド名のChulaSya(チュラシャ)は沖縄の言葉で「美しい砂浜」を意味します。
2021年~:石垣島バニラを日本全国へ届ける
金城さんによると、沖縄の中でも特に温暖な石垣島はバニラの栽培に適しているそうです。
石垣島バニラは、島内のホテルや洋菓子店のほか、県外からの引き合いも増えているそうですが、近い将来、石垣島バニラが島の特産物として日本全国の消費者に届くことを願って、金城さんはバニラ栽培の拡大や商品開発に取り組んでいます。
日本農業新聞によると、現在、石垣島バニラは年間約1万本のバニラを出荷しているようです。関連記事はこちら。
石垣島バニラの特徴
バニラはキュアリングの難しさもあって流通量が限られています。そのため、バニラ香料としては、化学的に作られた合成のバニラ香料が使われているケースが多いです。
天然のバニラ香料の原料になるバニラビーンズはマダガスカルやインドネシアなどが主な産地ですが、栽培時に農薬を使用している可能性があります。
金城さんは、子供達も大好きなバニラの栽培に化学肥料や農薬を使わないと決めています。
石垣島バニラは、合成バニラ香料や外国産の天然バニラ香料では出せないまろやかで優しい香りが特徴の、希少な国産バニラビーンズです。
石垣島バニラのブランドデザイン
石垣島バニラのパンフレットも載せておきます。
石垣島バニラは、沖縄の伝統的工芸品「琉球紅型」でバニラの花や実をモチーフにしたデザインを採用しています。
このデザインを採用したのは、紅型工房うるばな。の手仕事の素晴らしさや琉球紅型の色彩の美しさを知るきっかけになればという金城さんの想いがあるそうです。
紅型工房うるばな。の詳細はこちら。
石垣島バニラの買い方
ゆらてぃく市場で買う
石垣島バニラは石垣島の市街地にあるゆらてぃく市場で購入することができます(金城さんはJAおきなわ八重山支店女性部長とのこと)。
ゆらてぃく市場はオススメの場所です。以前書いた記事のリンクをつけておきます。
ゆらてぃく市場へ行き、石垣島バニラの売場を確認してきました。
バニラビーンズのほか、バニラエッセンスやバニラハニーなどの加工品も販売されています。
バニラハニーは、はちみつも石垣島産だそうです。
買いました!
バニラエッセンス「バニラ・デ・サンタマリア」は、伊江島産(沖縄県)のサトウキビを原料にした伊江島蒸留所のラム酒に石垣島バニラを漬け込んで作った純国産のバニラエッセンスです。
ものすごい希少価値です。
これも買いました(笑)!
オンラインショップで買う
石垣島バニラは同社のウェブサイトで購入することもできます。リンクをつけておきます。
ふるさと納税の返礼品でもらう
石垣島バニラは沖縄県石垣市のふるさと納税返礼品としてもらうことができます。
【ふるさと納税】石垣島産バニラビーンズ 1本 バニラシュガー50g 食品 調味料 沖縄県石垣市 IV-1
石垣島バニラを使った石垣島クッキー
MantaFrog Café 石垣島クッキーについて
石垣島バニラのウェブサイトで、石垣島バニラを使った石垣島クッキーが紹介されていました。
せっかくなので、石垣島クッキーを販売している店、MantaFrog Café(マンタフロッグカフェ)にも行ってみました。
MantaFrog Caféは、730交差点の近くにある八重山郵便局の向かいにあります。店舗情報を載せておきます。
- 住所:沖縄県石垣市登野城3-3 さだとしビル1-B
- 電話:0980-87-5512
- 営業時間:11時~18時
- 休み:水曜日 ※諸事情により変更になる可能性あり
- 公式ウェブサイト:https://mantafrog.com
MantaFrog Café 石垣島クッキーは、八重山・石垣で新たなスイーツ文化を創造しながら、障がい者施設と連携して、観光で求められる人材の育成を目指しています。
代表の橘田真さんは、2021年3月、定年の一年前に東京都小平市の職員を辞し、旅行で何度も訪れていた石垣島へ移り住んで、MantaFrog Café 石垣島クッキーを始めました。
リッチ島バニラサブレ
さて、石垣島バニラを使った目的の商品は「リッチ島バニラサブレ」です。写真ではわかりにくいですが、クッキーはマンタの形をしています。
リッチ島バニラサブレの原材料表示も載せておきます。
リッチ島バニラサブレのクッキー生地にはバニラビーンズの黒い粒粒が散在し、しっかりとバニラの風味がします。大変美味しくいただきました。
その他のクッキー
ManataFrog Café 石垣島クッキーは、世界的なスイーツコンクールの審査員なども務めるパティシエの朝田晋平さんが監修するレシピで、障がい者など様々な方が作っています。
リッチ島バニラサブレ以外に、石垣島の泡盛や伊江島のラム酒を使ったクッキーなどがあります。どれも無添加にこだわって手作りされたクッキーです。常温で長持ちしますが、香ばしいサクサク食感が時間と共に損なわれるため、なるべく早く食べることをオススメしています。
同社のウェブサイトから注文することもできるので、気になる人は確認してみてくださいね。
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