2025年、あけましておめでとうございます。
2024年末、モルディブ(と経由地のマレーシア)へ行ってきました。この記事では私が見たモルディブについて書いています。モルディブがどんな国か少しでも伝われば幸いです。
今回使用したガイドブックは定番の「地球の歩き方」です。
モルディブの基本情報
アクセス
モルディブの玄関口は首都マレのヴェラナ国際空港です。
空港のあるフルレ島と首都のあるマレ島はフェリーで約10分の距離です。小さな空港の外に出るとすぐにフェリー乗り場があります。
<直行便>
2024年12月時点で、日本からモルディブまでの直行便はありません。
<経由便>
コロンボ(スリランカ)、クアラルンプール(マレーシア)、バンコク(タイ)などを経由すれば、1回の乗り継ぎでマレに行くことができます。
私はバティック・エア(旧マリンド・エア)のクアラルンプール経由便で行きました。
日本との時差
日本とモルディブの時差は4時間で、日本の方が4時間進んでいます。
通貨と為替レート
モルディブの通貨は、ルフィア(MVR)です。
為替レートは、約10円/MVR(2024年12月)です。
USドルはそのまま使うこともできるので、USドルを持って行くのがいいでしょう。
言語と宗教
<言語>
モルディブの国語はインド・イラン語系に属するディベヒ語です。隣国スリランカのシンハラ語と似た単語が多いそうです。
ディベヒ語の「こんにちは」は「アッサーラム・アライクム」です。すべてのイスラム教徒に通じるこの単語は覚えておくと本当に便利です。
ディベヒ語の「ありがとう」は「シュークリア」で、パキスタンの国語ウルドゥー語と同じです(厳密には違うかも)。パキスタンでシュークリアを覚えた私にとっては改めて覚える必要がなくて楽でした。
なお、ディベヒ語はモルディブでイスラム教が広まる中で、アラビア語の影響も強く受け、文字はアラビア文字を簡略化した「ターナ」と呼ばれる文字が使われています。
<宗教>
国教はイスラム教スンニ派です。
なお、モルディブでは、1153年にアラブ人からイスラム教が伝えられるまでは仏教が信仰されていました。現在でも、アリ環礁を中心に仏教遺跡が残っているようです。
首都マレ
マレ
首都のマレ市はマレ島と周辺にあるフルマーレ島、フルレ島、ビリンギリ島の4島で構成されています。
モルディブの人口約40万人のうち、マレ市の人口は約21万人、マレ島の人口は約14万人(いずれも2022年国勢調査)なので、人口の半分が首都で暮らしていることになります。
マレ島にはぎっしりと建物が立っています。
マレ島内の見所は少ないですが、フクル・ミスキー(金曜モスク)というモルディブ最古のモスクは一見の価値があるでしょう。
マレ島は小さな島ですが、人口過密なだけあって、市街地は賑やかです。
マレ市内では車もたくさん走っていますが、バイク社会です。島のサイズや小回りできることを考えると、市内の移動はバイクがちょうどいいと感じました。
ホンダ製のバイクが多いことは日本人にとって誇らしいです。
フルマーレ
マレ島の人口密度は世界一高いとも言われています。その緩和のために1997年から埋め立てを始めて造成したのが人口島のフルマーレ島です。
マレのフェリーターミナル近くのバス停からローカルバスに乗ってフルマーレに行きました。
バスは中国の支援で造られたシナマーレ橋(全長1.39km)を渡って空港のあるフルレ島を通りすぎ、約30分でフルマーレ島の終点に到着しました。
終点でバスを降りて街歩きをするものの、人工的に整然と造られたフルマーレは歩いてもあまり楽しくありませんでした。
一方、島の東側に続くビーチでは、地元の人々が家族や友達と遊んだり夕涼みをしたりする平和な光景を見ることができて、心がほっこりしました。
ローカルアイランド
ローカルアイランドについて
豪華なリゾートという印象があるモルディブですが、2009年にローカルアイランドでの宿泊施設の営業が許可されてからは、ローカルアイランドでの観光業も発展してきています。
というわけで、ひとりでなるべく安価に旅する私はローカルアイランドを目指しました。
ビリンギリ島
訪れたのは、マレ島からフェリーで約10分の場所にあるビリンギリ島。
この島もかつてはリゾートアイランドだったようですが、マレ島の人口増加に伴って、近くにあるこの島が住宅地として整備されたようです。
フェリー乗り場の近くにはマレ島を臨むビーチがあって、地元の人々が楽しそうに遊んでいました。
そのビーチの前にあるホテルに1泊しました。ベンチに座ってマレ島の夜景を眺めました。
短い滞在でしたが、のどかなローカルアイランドを楽しむことができました。
ローカルアイランドではリゾートだけではないモルディブの一面を見ることができます。せっかくモルディブへ行くなら、どこかのローカルアイランドにも行くことをおすすめします。
リゾートアイランド
リゾートアイランドについて
モルディブには「1島1リゾート」と形容されるリゾートアイランドが150以上もあります。
ひとりでなるべく安価に旅する私にとって、リゾートアイランドは高嶺の花でした。
しかし、もし気軽に行けるリゾートアイランドがあるなら行きたい。リゾートアイランドを見ずしてモルディブは語れまいと思っていました。
そんな思いを抱えながら、ビリンギリ島の宿でグーグルマップを眺めていたら、ハードロックカフェを見つけました。
「え?こんな場所にハードロックカフェがあるの!?」と思い、辿っていくと、そのリゾートアイランドにはマレ島から無料のフェリーで行けることが分かりました。
事前予約制の無料フェリーを速攻で予約し、翌日、リゾートアイランドにも上陸することができたのでした。
クロスロード・モルディブ
訪れたのは、マレ島からフェリーで約30分の場所にあるクロスロード・モルディブ。
ビジター用の無料フェリーは次のページから予約できます。
クロスロード・モルディブはモルディブ初の統合型リゾートで、3つのリゾートのほか、レストランやスパなどが入ったザ・マリーナという施設があります。
私がクロスロード・モルディブを知るきっかけとなったハードロックカフェは世界中でホテルも運営しているのですね。
ビジターは入れるエリアが限られますが、ビジターが入れるビーチをめざとく見つけた私は、水着に着替えて、しばし海水浴を楽しみました。
ここでも十分に特別感はありましたが、リゾートに泊まればもっと素晴らしい体験ができそうです。
わずか2時間の滞在でしたが、クロスロード・モルディブを訪れたことで、モルディブのリゾートも垣間見ることができました。
もしこの国を再訪することがあれば、その際はリゾートアイランドにも泊まってみたいです。
モルディブの食事
モルディブ料理について
陸地が限られたモルディブでは農業や畜産がほとんど行われていません。そのため、食材は基本的にインドやスリランカなど近隣諸国からの輸入に頼っています。
一方、海に囲まれたモルディブは漁業が盛んです。魚の自給率は高く、ツナ缶やかつお節などの加工食品がモルディブの重要な輸出品にもなっています。
話がそれますが、2011年の東日本大震災の後、モルディブから津波被災地へ、救援物資として70万個以上のツナ缶が送られたそうです。
モルディブ旅行専門のグルービーツアーのウェブサイトが参考になるのでリンクをつけておきます。
ある日の朝食
私のモルディブ滞在は2泊3日だったので、朝食も夕食も食べるチャンスは2回ずつ。
現地1回目の朝食はこんな感じでした。
「マスフニ」というモルディブ料理が美味しかったです。マスは魚、フニはココナッツフレークを意味します。マスフニにはバリエーションがあるようです。
ある日の夕食
次に、ホッタという大衆食堂でいただいた現地2回目の夕食を紹介します。
ホッタではショーウインドに並ぶ料理の中から好きな料理を選んで皿に盛り付けてもらいます。
たくさんの美味しそうな料理から厳選して、こんな感じに仕上がりましたー。
「マスリハ」というモルディブの魚カレーをはじめ、豆カレー、ナスの料理、ビリヤニも美味しくいただきました。マスは魚、リハはカレーを意味します。分かりやすいですね(笑)。
ヘディカ
ヘディカとはモルディブ料理の一種で、具材を包んで油で揚げたスナックの総称です。
ベーカリー、カフェ、ホッタ(大衆食堂)などあらゆる飲食店で何かしらのヘディカがありました。
地球の歩き方で紹介されていたベイカーズ・ファンタジーという老舗ベーカリーには3日連続で行き、昼食や間食にヘディカをいただきました。美味しかったなー。
補足
環礁国の切実な問題
環状に形成される珊瑚礁のことを環礁(かんしょう)、環礁の間にある海のことを礁湖(しょうこ)といいます。
国土のほぼすべてが環礁や礁湖でできている国を環礁国といいます。
モルディブのほか、キリバス、マーシャル諸島、ツバルなどが環礁国に該当します。
環礁国は気候変動による海面上昇の影響を受け、海岸侵食や水没の危機に直面しています。
モルディブの面積、島の数、海抜
モルディブの国土面積は約90,000㎢ありますが、その99%以上が海で、地表面積はわずか300㎢程度しかありません。これは淡路島の約半分の面積です。
モルディブは26の環礁と約1,190の島で成り立ち、そのうち人が住んでいる島は200程度です。
国土の8割が海抜1メートル未満のモルディブは、海面上昇により水没する懸念があります。
そのような未来予測の中、モルディブ政府が1997年から埋め立てを始めた人口島のフルマーレ島は海抜2メートルに設計されています。これにより、今後100年間の海面上昇に耐えられるそうです。
建設中の水上都市
一方、埋め立てによる環境問題も生じているため、モルディブ政府はオランダの企業と「水上都市」の建設を進めています。
水上に網の目のように配置された5000棟の建物に2万人を収容する計画で、この都市では環境を破壊することなく人々が水上で生活できるそうです。
2022年に着工されたこの水上都市は2027年頃に完成予定とのこと。完成後はマレ近郊の風景も変わるのでしょう。
水上都市はコペンハーゲン(デンマーク)、アムステルダム(オランダ)、釜山(韓国)などでも建設する計画があるようです。
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