つぼです。
新潟へ行ってきました。最大の目的は、村上市の千年鮭きっかわが運営する井筒屋で、伝統の鮭料理をいただくこと。
東京⇔新潟は往復夜行バスという弾丸の旅でしたが、いただいた鮭料理は期待以上のものでした。
開湯100年を超える瀬波温泉にも入ることができて、大満足の旅でした。
村上市、おすすめです。
千年鮭井筒屋について
基本情報
千年鮭井筒屋は、後述する千年鮭きっかわが営む鮭料理店です。
基本情報です。
- 住所:新潟県村上市小町1-12
- 電話:0254-53-7700
- 営業時間:11時~15時 ※LOは14時
- 休み:年末年始など
- 公式ウェブサイト:https://www.murakamiidutsuya.com
越後村上は城下町として栄えました。
井筒屋が店を構える建物は、江戸時代には旅籠として多くの旅人に利用されました。かの松尾芭蕉と弟子の河合曾良(かわいそら) が『奥の細道』の道中で、その旅籠に2泊したそうです。
現在、井筒屋の建物は、国の有形文化財に登録されています。
外観
井筒屋は小町通り沿いにあります。
国の有形文化財に登録されているだけあって、風情あるたたずまいです。
内観
暖簾をくぐって中へ入ると、まず囲炉裏があります。
店内の様子です。
次の写真はテーブル席。
こちらは座敷です。
利用中で見せてもらえませんでしたが、2階は個室になっているようです。
御品書き
店頭に置かれている御品書きです。
鮭料理7品、10品、13品、18品、21品と鮭づくし。丼ものや単品もあります。
私は鮭料理7品を選びました。
ちなみに、鮭料理21品の内容はこんな感じです。
御品書きの詳細はこちら。鮭料理21品の写真は壮観ですよ。
村上市は、鮭のひとり当たり消費量が日本一で、鮭をこよなく愛する村上の人々は、知恵をしぼって、鮭の頭から尻尾まで何ひとつ捨てずに料理するそうです。
そして、驚くなかれ!
村上には、なんと100以上の鮭料理があるそうです。詳しくはこちら。
鮭料理7品
さて、私がいただいた鮭料理7品をざっと紹介します。
まずは、鮭の手まり寿司(左)と鮭の酒びたし(右)が出てきました。
鮭の酒びたしは、自然の風で1年かけてゆっくりと熟成させた塩引鮭を薄くスライスしたものです。
次に、鮭の酒びたし皮(写真なし。撮ったけどブレてた・笑)と鮭の塩引の登場です。
この2種は、一緒に出される七輪で焼いていただきます。
塩引鮭は、選りすぐった鮭と天然の粗塩だけでつくられる、村上を代表する鮭料理です。
職人によって丁寧に仕込まれた鮭は、北西の冷たい風の中に3週間さらされてゆっくりと乾きながら、発酵・熟成し、旨みが凝縮されます。
続いて、鮭のかぶと煮(上の左)、鮭の焼漬(上の中)、鮭はらこの味噌漬(上の右)、土鍋炊きご飯(下の左)、薬味(中の中)、だし(下の右)がひとつの膳で出てきました。
ご飯は1回おかわりできます。
1膳目はおかずと一緒に、2膳目は塩引鮭茶漬にして食べるのが井筒屋オススメということで、こんな感じにしていただきました。だしには、地元産の村上茶も使われています。
最後に甘酒が出てきて、鮭料理7品は締めくくりとなります。
料理の数が最も少ない7品でも、満腹になりました。
21品もおおいに気になりますが、完食できるかどうか…。
店内の販売品と原材料表示
店内では、井筒屋を運営する千年鮭きっかわの商品販売もしています。
後述しますが、千年鮭きっかわでは、食品添加物は一切使用していません。
参考までに、商品の原材料表示をいくつか載せておきます。
まずは、鮭の塩引き。
先述のとおり、原材料は鮭(国産)と塩だけ。
これは、鮭の白子煮。
この手の商品には、増粘剤やアミノ酸(味の素)、○○色素などの添加物が使われることが多いですが、この商品は完全無添加です。
続いて、鮭の昆布巻。
やはり完全無添加です。〇〇エキスも使っていません。素晴らしいです。
一部の商品は、きっかわの楽天市場店でも購入することができます。
1626年創業 千年鮭きっかわ 楽天市場店千年鮭きっかわについて
基本情報
井筒屋で食事を終えた後、井筒屋から徒歩2~3分の場所にある千年鮭きっかわへ行きました。
1626年創業の千年鮭きっかわの基本情報です。
- 住所:新潟県村上市大町1-20
- 電話:0254-53-2213
- 営業時間:9時~17時30分
- 休み:不定休(ウェブサイトで要確認)
- 公式ウェブサイト:https://www.murakamisake.com
「鮭のまち村上」の歴史は古く、文献によれば、平安時代、京の都の朝廷に、鮭が租税として納められていたとされます。
千年前の平安時代から続く村上の鮭料理。千年鮭の名は、そのような歴史に由来するのですね。
ちなみに、村上小学校では、地域と連携して、鮭文化を学習に取り組んでいるそうです。
外観
千年鮭きっかわが店を構える建物は明治時代に、店の奥にある蔵は江戸時代末期に建てられたそうです。井筒屋の建物同様、国の有形文化財に登録されています。
内観
この場所から、奥に、鮭が天井から吊り下げられた様子が見えて少し興奮しました。
店内の商品売場です。
この扉の向こうに、必見の光景があります。
天井から吊るされた塩引鮭の群れを見学
きっかわを訪れたら、絶対に見逃せないのが、天井から吊るされた鮭の群れ。
この光景はスゴイです。
吊るされているのは基本的にオスの鮭で、鮭の酒びたしになります。
鮭の腹が二段に分けて切られています。城下町だった村上では、切腹を忌み嫌い、腹を二段に分けて切る止め腹という独特な切り方をします。
内臓などを取り出し、丹念に塩をすり込んで約1週間置き、流水で表面の余分な塩を洗い出したのち、風通しのいい場所に約3~4週間吊るします。吊るす際にも首つりとならぬよう、尾から吊るすのが村上流です。
添加物は一切使わない
きっかわは、ウェブサイトで次のように明言しています。
きっかわは、「自然」にこだわった製品づくりをしています。創業以来、食品添加物や化学調味料、添加物をはじめ酵母エキスに至るまで、一切使用したことはありません。
「自然」に寄り添い、「自然」の力を借り、「自然」からの恵みを最大限に活かした製品づくりを、当社の長い歴史の中、信念を曲げることなく誠実に実直にやって参りました。
酵母エキスは食品添加物にはならないので、無添加を謳う食品でも結構使われています。あえて酵母エキスも使ったことがないと書いているところに、無添加主義者の私は思わずニヤリとしてしまいました。
オンラインショップ
きっかわのことは、約2年前に、東京の日本橋高島屋の催事で知りました。そこで買った鮭料理がとにかく美味しくて、きっかわのウェブサイトを見てみました。そして、無添加への強いこだわりや企業の姿勢に感銘を受けたのです。
その頃、きっかわの商品は、村上の本店以外ではほとんど買えず、ネットでも自社のオンラインショップでしか買えない状況でしたが、今では楽天市場でもきっかわの商品を買うことができます。
きっかわのオンラインショップと楽天市場のリンクをつけておきます。
井筒屋での食事、天井から吊るされた塩引鮭の光景、どちらも忘れられない体験となりました。
ありがとうございました。
ふるさと納税返礼品
なお、きっかわの鮭製品は、新潟県村上市のふるさと納税返礼品にもなっています。
【ふるさと納税】E4042 千年鮭きっかわ 塩引鮭(1尾)・はらこ味噌漬セットまちづくりの非常識な教科書
株式会社きっかわの第15代社長である吉川真嗣さんは、妻の美貴さんと一緒に村上の町おこしを手がけました。吉川美貴さんの著書『まちづくりの非常識な教科書』は、Amazonの地域開発部門でジャンル別1位になったこともあるそうです。
立ち寄りスポット
村上城跡
千年鮭きっかわ、井筒屋へ行くついでに寄りたい場所を紹介しておきます。
まずは、村上城跡。
千年鮭きっかわから徒歩10分くらいの場所に入口があります。
山頂まで徒歩15~20分ほどで、食前食後のよい運動です。
標高135メートルの山頂からは村上市街地や日本海、天気がよければ佐渡島や粟島も見ることができます。
瀬波温泉
次に、瀬波温泉。
瀬波温泉は、明治37年、石油掘削中に熱湯が噴出したのが始まりです。豊富な湯量と「熱の湯」といわれる95℃の熱い湯が特徴です。詳しくはこちら。
運がよければ、瀬波海岸で、日本海に沈む夕陽を拝むことができます(私は運がよかった!)。
瀬波海岸沿いにある温泉宿に泊まって、朝や夕方に海岸を散歩すると爽やかだろうなぁ。
足湯もあります。
夕陽を眺めながら足湯につかるというのは貴重な経験でした。
映画『大名倒産』は鮭のまち・越後村上藩がモデル
2023年6月23日に公開された映画『大名倒産』は、鮭のまち・越後村上藩がモデルになっています。原作は浅田次郎さんの小説です。
劇中で登場する鮭はきっかわで仕込みをしたものだそうです。
また、きっかわの社長、吉川真嗣さんは映画配給元の松竹から依頼を受けて、塩引き鮭の仕込みの指導・監修をしたそうです。詳細はこちら。
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