アイヌ文化の復興と発展のための拠点、ウポポイ(民族共生象徴空間)へ行ってきた

北海道
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イランカラプテ。当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
先日、2020年7月12日にオープンしたばかりのウポポイ(民族共生象徴空間)へ行ってきました。

ウポポイは民族共生象徴空間の愛称で、国立アイヌ民族博物館、国立民族共生公園、慰霊施設などで構成されるアイヌ文化の復興と発展のための拠点として整備されたナショナルセンターです。

ウポポイはアイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」という意味です。2020年4月24日に開業予定でしたが、コロナ禍で3ヶ月弱遅れての開業となりました。

このウポポイ訪問記がウポポイ訪問の参考になれば幸いです。
ウポポイの公式ウェブサイトはこちら

ウポポイへ行く

札幌や新千歳空港からウポポイへ行くならJR特急が便利

ウポポイのある白老まで、
札幌から約1時間、新千歳空港から約40分、函館から約3時間です。

公共交通機関なら、JR特急を利用するのが便利です。札幌から普通列車だと乗り換えもあって、2時間以上かかることもあります。お得な切符もありますよ。

私は、特急北斗10号(函館行き)に乗りました。
札幌発:10時42分、白老着:11時44分。

コーヒーでも飲みながら車窓を眺めたり、読書でもしていれば、遠さを感じる前に着きます。

JR白老駅からウポポイへ

ウポポイの最寄駅、白老駅に着きました。

駅構内に「ようこそ白老へ」と書かれたウポポイのポスターが掲示されていました。ウポポイの総事業費は約200億円。地元の人にとっても、ウポポイの開業は大きなインパクトがあるに違いありません。

白老駅の北口を出ると、大きな看板が出ていました。青空が気持ち良いです。

白老駅の北口からウポポイまで徒歩で約10分。方向音痴でも迷わずに行ける分かりやすさです。

案内図
(ウポポイのウェブサイトから転載)

ポロトミンタラ(観光インフォメーションセンター)

白老駅とウポポイのちょうど中間あたりに、ポロトミンタラという名の観光インフォメーションセンターがあります。

白老に関するパンフレット等が充実しているので、ウポポイの後、白老周辺を見て回る人はここで情報収集するといいでしょう(白老駅にも色々なパンフレットはありました)。

しらおいナビも白老の情報収集に有益です。

ポロトミンタラはアイヌ語で「ポロトの広場」という意味で、3つの候補の中から、町民投票で選ばれたそうです。ポロトはウポポイに隣接する湖で、アイヌ語で「大きい湖」という意味です(ポロ=大きい、ト=湖)。


物販コーナーで売られていたアイヌ文様のデザインを立体的にプリントしたTシャツが目を引きました。髙橋工芸社という地元の企業で作られていて、立体プリントは特許を取得しているそう。


スイーツなども売られています。

白老駅前(南口)にあるMAIKO’S BAKEは、良質な素材を使ったほぼ無添加のスイーツを製造販売しています。立ち寄った店では甘い引力を振り切ってアップルパイしか買わなかったものの、ここではあっさりと誘惑に屈して、北海道産純生クリームのオムレットを食べてしまいました(笑)。

スイーツ好きなら、MAIKO’S BAKEは外せません。

ウポポイを見学する

入口

ポロトミンタラでスイーツの罠に捕まり、どうなることかと思いましたが、無事にウポポイに到着しました。

入口に案内図がありました。

いざないの回廊を抜けると、エントランス棟に着きました。
正面にある大きな建物が国立アイヌ民族博物館です。全国に7館しかない国立博物館の中で最北の博物館です。

チケット売り場です。

「フンタ ホク ウシ」はアイヌ語です。ここウポポイでは、アイヌ語も公用語になっています。
アイヌ語が使われている例を写真で紹介します。

2020年9月時点、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ウポポイでは入場制限を実施しています。入場には事前予約が必要とのことで、私はウェブでチケットを購入しました。実際には当日券もあるみたいですが、できるなら事前予約した方がいいでしょう。予約案内はこちら

体験交流ホール

体験交流ホールでは、ユネスコ無形文化遺産に登録されているアイヌ古式舞踊やムックリ、トンコリなどの伝統楽器の演奏など、アイヌの伝統芸能が上演されます。上演中は写真撮影禁止ということで、最初の挨拶時だけ写真を撮りました。

体験学習館

体験学習館前の広場で、アイヌ伝統楽器の演奏を鑑賞しました。
左が五弦琴のトンコリ、右が口琴のムックリです。

広場の先にポロト湖、その先に伝統的コタンが見えます。

伝統的コタン

伝統的コタンでは、アイヌの伝統的な家屋群が再現され、アイヌの伝統的な生活空間を体感することができます。コタンとはアイヌの集落や部落のことです。

アイヌの伝統的な家屋をチセといいます。

チセの中はこんな感じです。

トゥレッポんはウポポイのPRキャラクターです。

夕暮れ時の風景

夕暮れ時の風景が格別でした。何枚か写真を載せておきます。

ポロト湖を眺めながら、このステージでヨガしたらサイコーだろうなぁ。

池が夕焼けで染まるこの写真が気に入っています。ベンチに座ってくつろぐのもいいですね。

西の空には薄い三日月が浮かんでいました。美しい風景です。

国立アイヌ民族博物館

2020年9月時点、国立アイヌ民族博物館の2階にある展示室に入館するには、ウポポイの入場券とは別に博物館入館整理券(無料)が必要です。私は直前すぎて予約枠が残っておらず、展示室に入ることができませんでした。

博物館の1階に「ウポポイ開業」と大きな見出しのある読売新聞の号外が置かれていました。

ミュージアムショップ

博物館の1階にあるミュージアムショップでは、アイヌの工芸品も売られていて、興味がそそられます。オンラインショップはこちら

カムイシンフォニア

すっかり日が暮れました。

土日祝日の夜は季節限定で、プロジェクションマッピングショー、カムイシンフォニアが催されます。特急列車の出発時刻が近づいていましたが、せっかくなので少しだけ見学しました。

ウポポイで食べる

ウポポイにあるレストランとカフェ 一覧

ウポポイの無料エリアに次のカフェとレストランがあります。詳細はこちら

  • カフェ リㇺセ
  • 焚火ダイニング・カフェ ハルランナ
  • ヒンナヒンナキッチン 炎
  • ななかまど イレンカ

有料エリアにはキッチンカーも出ています。

カフェ リㇺセ

昼食はカフェ リㇺセでアイヌの伝統食オハウを食べるつもりでいたのですが、この日は混んでいたこともあって売り切れていました…(涙)。


私は酒はほとんど飲まないのですが、カフェ リㇺセで売られていたカムイトノトという酒が気になりました。

カムイトノトは、稗(ヒエ)を使った酒。神々や先祖への贈り物として、アイヌ民族の儀式に欠かせない伝統的な酒を現代に復刻したそうです。アイヌ語で「神の酒」という意味です(カムイ=神、トノト=酒)。詳細はこちら

あー、買ってくればよかった!

ななかまど イレンカ

ななかまど イレンカは、白老駅前にあるベーカリーななかまどが手掛けるカフェ。

ななかまどは素材にこだわったベーカリーで、このイレンカでは店内で作ったアップルパイやチーズケーキなどをいただくことができます。原材料を確認したら無添加だったので利用しました。オススメです。

焚火ダイニング・カフェ ハルランナ

カフェ リㇺセでオハウを食べることができなかったため、昼食は焚火ダイニング・カフェ ハルランナでいただきました。

ハルランナではアイヌ文化に源流のある食材を現代の技術を用いて調理した創作料理をコースで味わうことができます。メインは蝦夷鹿、白老牛、北海道ラム、鹿と牛の合挽ハンバーグと実に肉肉しい構成です。

肉食をなるべく控えている私としては、魚やベジタリアンの選択肢がないのが減点ですが、落ち着いた店内でゆっくりとコース料理を楽しむことができました。


蝦夷鹿と北海道ラムで迷いましたが、北海道ラムを選びました。

ウポポイの近くに泊まる

haku hostel + café bar

札幌などから日帰りするのもいいですが、ウポポイの近くに泊まって、開園から、あるいは閉園まで見学するのもいいですね。ここではふたつの宿を紹介します。どちらも、機会があれば泊まってみたい素敵な宿です。


まずは、節約派に嬉しい、haku hostel + café bar

1階にカフェ+バーを併設したお洒落な雰囲気のゲストハウスです。バーでは北海道のクラフトビールも出しています。

【楽天トラベルで空室検索】クラフトビールの飲めるゲストハウス haku hostel + café bar

公式ウェブサイトはこちら

ピリカレラホテル

次は、贅沢派に嬉しい、ピリカレラホテル

ピリカレラホテルは全6室がスイート仕様です。

アイヌの伝統的な家屋チセをイメージしたレストランで、地元の食材にこだわった食事をいただくことができます。

温泉は太古の植物が起源のモール温泉。全室に温泉付き浴室があり、加温も加水もしていない100%源泉掛け流しの温泉を思う存分味わうことができます。

この温泉は飲用することができ、部屋の冷蔵庫にはこの温泉水をろ過した「白透水」が用意されています。白透水はネットで買うこともできます。

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公式ウェブサイトはこちら

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